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October.15 2021
当店のコーヒー作りについて
こんにちは。
空が高く、穏やかな秋といった風情の晴天が続いています。年間通して最高の季節かもしれませんね(^^)
今回は当店のコーヒー作りについてご紹介します。
*少し込み入った内容になりますので、焙煎に興味のある方だけお読みいただければ幸いです^^;
コーヒーは生豆、焙煎、熟成の影響で日々風味が変化する飲み物です。無限にある風味を、受け取り方の違う人があれこれ言いながら楽しめる自由度の高い飲み物です。
とはいえ、コーヒー作りにおいて、美味しくするための共通項もあります。
豆選び
コーヒー豆は農園や収穫年で風味は大きく変わるため、本当に多くの種類があります。美味しいコーヒー豆を見つけるには、ひたすら探すしかありません。現在は10種類の豆から1つの豆を採用するようなかたちになっています。月に1〜2こ新しい豆をご紹介しているのですが、実はその裏に不採用になった豆が10〜20あったりします。合格率10%。なかなか熾烈な競争を勝ち抜いたエリート豆ですね^^;
ハンドピック
ハンドピックは虫食い、発酵、未熟、カビ、異形など味に影響を及ぼす欠点豆を除去する工程です。当店では生豆のとき、焙煎豆のとき、計2回のハンドピックを実施しています。生豆と焙煎豆で見えるものが違うので必ず2回です。スタンダード豆では当然必要な工程なのですが、トップスペシャルティといわれる豆にも欠点豆は幾分存在します。欠点豆は少なければ少ないほど美味しくなるので、全ての豆において2回のハンドピックを必ず実施しています。
なるべく見落とさないように豆の山を少しずつ崩して、1つ1つ豆を分離して目視で欠点豆を見つけていきます。また、豆の裏面も見落とさないように、シャッフルして、この工程を3回ほど繰り返します。地味ですが丁寧な作業が大切です。スタッフ全員で心を込めてハンドピックしています。
*なお、当店ではスタンダード〜トップオブトップといったランク付けをしていません(それぞれに他の機関がつけたランクがありますが)。お客様には、バイアス(思い込み)を抜きにして、豆そのものの個性を楽しんでほしいとの想いからです。
水分測定
朝、生豆の水分率を測定しています。生豆の水分(結合水)が焙煎の要と考えています。このあたりは焙煎所の哲学が交じるかもしれません。当店は水分は焙煎の加水分解への影響が大きいと考えています。加水分解が少ないと単調な風味に、多過ぎると渋みが出てきてしまいます。焙煎前半、そのときの水分量に合わせて火力を調整することで、適度な加水分解になるよう調整しています。
豆に合わせた焙煎方式
豆に合わせて、直火(豆に直に火の放射熱を当てる方式)と半熱風(鋳物の伝導熱と熱風の対流熱を当てる方式)の焙煎機を使い分けています。ブラジルの豆は直火、インドネシアの豆は半熱風といった具合です。より美味しいと思われる焙煎方式でご用意します。お客様のご指定も可能です。直火と半熱風は風味がガラッと変わるのですが、指定できるお店は意外と少ないかもしれません。ぜひご利用ください(^^)
焙煎度合いに合わせた焙煎プロファイル
当店では焙煎度合いに合わせて焙煎プロファイル(焙煎の予熱、カロリー、ダンパー)を変化させています。浅めの焙煎(シナモン〜ハイロースト)は酸味と香りを引き立てるプロファイル、深めの焙煎(シティ〜イタリアンロースト)ではコクとアロマを十分に醸し出すプロファイルになっています。焙煎機と数十種類のコーヒー豆をひたすらローストして、カッピングして、最善と思われる方法を採用しています。
今回は当店のコーヒー作りについてざっくり触れさせていただきました。
上記以外にもいろいろ細かい云々はあるのですが、何よりコーヒーづくりは「心を込めて丁寧に作る」と美味しくなるようです。丁寧なハンドピック、丁寧な焙煎、丁寧なドリップ。これだけで本当に美味しくなります。不思議です。というわけで今後とも心を込めて丁寧にコーヒーをお作りしますので、よろしくお願いいたします(^^)